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縣居通信


【縣居通信1月】
賀茂真淵(かものまぶち)と鴨武角身命(かもたけつのみのみこと)(八咫烏(やたがらす))・桜
2019年(令和元年)は、真淵翁没後250年という節目の年でした。あけて令和2年2020年は、いよいよ東京オリンピック開幕の年。まさにスポーツ一色の年になりそうです。今回は、スポーツと真淵翁のつながりを紹介します。

◆日本のサッカーの八咫烏と真淵
 真淵翁は、浜松の城下町の南西に位置する伊場村(現在の浜松市中区東伊場)の庄屋「岡部家」の一族として生まれました。岡部家の先祖は、鎌倉時代に朝廷からこの地五百石を拝領し、支配のため山城国から入った賀茂氏一族で、氏神を祭る「賀茂神社」を建立します。これが、現在も伊場に鎮守する賀茂神社です。
 この賀茂神社の祭神が、古事記に登場する八咫烏(やたがらす)に変身して、神武天皇を導いた「鴨武角身命(かもたけつのみのみこと)」です。真淵自身も著書「八咫烏考」で、自らの祖先である祭神の仮の姿である八咫烏について、その大きさなどを記しています。弟子の本居宣長も著書「玉勝間」の県居大人の伝で同様のことを記しています。
 日本サッカーチームのマークが八咫烏になったのは昭和6年ということですから、長い歴史をもち、三本足の一本でボールを持ち、たたずむカラスは、国民に親しまれてきただけでなく、賀茂真淵の遠いご先祖でもあったのです。

◆ラグビー日本チームのシンボルマーク「桜」と真淵
 2019年にわたしたちに大きな感動をあたえてくれたスポーツイベントといえば、ラグビーワールドカップでした。赤と白の横じまのユニフォームの選手たちが「ワンチーム」の精神で芝生に躍動した光景は、多くの人々の心に深い感動をもたらしました。
 胸のマークの桜が、まさに日本のすばらしさを象徴するように思えた人も多かったと思います。実は、万葉集などの研究から日本人の古来からの考え方はどんなものだったのかを追求していた真淵は、多くの作品や著書で「やまと人には、桜や富士を思う心が昔からずっとありつづけた…」と述べています。「桜」は日本人がこよなく愛し続けている花だという真淵の主張は、現代のわれわれも納得というか共感できます。ラグビーチームのシンボルマークが桜であったことも、われわれの応援パワーを手助けしていたかも…と思います。
 現在、開催している平常展では、真淵そして宣長が、古来から桜や富士を大切にする思想があったと主張する作品を展示しています。