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縣居通信


【縣居通信4月】
国学者が祀られている神社を巡る ~本居宣長ノ宮(三重県)、玉鉾神社(静岡県)、本学神社(長野県)~
 国学が神道や神社の研究をすすめる学問でもあるということで、先師となった素晴らしい国学者や地元の国学者は祭神として、神道の在り方で神社でお祀りされています。
 賀茂真淵翁をお祀りする縣居神社は、天保10年(1839年)「縣居翁霊社」という名で建てられ、明治17年(1884年)に「縣居神社」と改称され、大正13年には賀茂真淵記念館の横に移築されました。

 また、三重県松阪市には本居宣長をお祀りする「本居宣長ノ宮」があります。こちらは、平田篤胤大人が相殿(同じ社殿に2柱以上の神を合わせて祭ること)となり本居宣長大人が祭神となっています。

 そして日本全体を見回すと「国学の四大人」、荷田春満・賀茂真淵・本居宣長・平田篤胤の四人を一緒にお祀りする神社があります。

 一つ目は「玉(たま)鉾(ぼこ)神社」です。静岡県静岡市葵区の静岡浅間大社境内にあります。明治9年(1876年)3月に神職有志が官許を得て創立されました。祭神は「羽倉東麿大人命、岡部真淵大人命、本居宣長大人命、平田篤胤大人命」となっており、国学の祖神として四大人が祀られています。街中の神社ですので、学業の神様として、またお社の近くには、和歌の集いの案内もあり、例祭には和歌が献詠されることになっています。学業成就の絵馬もたくさん奉納されており、人々に親しまれていることが分かります。

 二つ目は「本学神社」といいます。長野県下伊那郡高森町山吹の篠山の山頂720メートルの所にあります。こちらは中央自動車道の側道から、社に向かう道が続き、静かな山の中に入っていくという感じのところです。土地柄から、平田篤胤翁の学風を慕い、思想に共鳴した学徒が古神道を信奉するようになり、やがて四大人を祀る社ができました。社号は平田銕胤によって「本学霊社」と命名されやがて「本学神社」となりました。

御霊代として

荷田春満・・円鏡一面と「荷田東満信盛宿命」の御笏
賀茂眞淵・・短刀一口(白鞘無名)と「県居翁霊爾」
本居宣長・・鈴 一箇 「秋津彦美豆桜根大人」
平田篤胤・・水晶玉 一・瑠璃玉 九・大陽石と鉱石

これらが各宗家から送られ、現在は高森町歴史民俗資料館に保存、展示されています。
いずれも、国学を育て、深め広めた四人の大人を敬い慕い、大切にしていこうという気持ちにほかなりません。