【縣居通信4月】
日本橋 浜町の「賀茂真淵縣居の跡」の説明版
明和元年(1764)7月、68歳のとき、真淵は日本橋 浜町(はまちょう)に建てた新居に移ります。その住まいを真淵自ら「縣居(あがたい)」と呼びました。花火大会でにぎわう大川(隅田川)に近い浜町は家が立ち並ぶ賑やかな場所でしたが、真淵は故郷の田舎(浜松)に心を馳せ、古代の生活を現実のものとして営もうとしました。
真淵が晩年に居を定めたのは、現在の久松警察署の東側、明治座の北側にある久松町交差点付近です。以前は、久松町交差点の角のファミリーレストランのあるビルの壁に説明板が埋め込まれていましたが、ビルが改築されたためか、今はもうありません。
東京・日本橋 浜町の「賀茂真淵縣居の跡」の説明版はどこに?
現在の「賀茂真淵縣居の跡」の説明版は、令和4年3月に中央区教育委員会によって以前設置されていたビルの道路をはさんだ反対側の歩道に自立して新設されています。(新設場所:中央区日本橋 浜町1-2-1・下の写真を参照)今の浜町は大通りが東西南北に走り、ビルが立ち並ぶ繁華街です。
案内板の冒頭には、「東京都の文化財として旧跡指定されている賀茂真淵縣居の跡は、現在の日本橋 浜町1丁目1番付近にありました。」と表記されています。
このほか、新たに内山真龍が描いた縣居の「間取りの図」「穴蔵の図(書物を火事から守る)」や英文の説明も付け加えられました。
なお、新宿駅から現地に行くには、都営新宿線(本八幡方面)に乗り、およそ16分で浜町駅に着きます。浜町駅から徒歩で北西の方角におよそ300mで現地に到着します。ぜひ一度、真淵が暮らした縣居を訪れて、当時の江戸に思いを巡らしてみてほしいと思います。