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縣居通信


【縣居通信9月】
『師賀茂真淵と弟子本居宣長』~二人が育てた遠江の国学者~
 賀茂真淵には340名あまりの門人がいました。そして、賀茂真淵の指導を受けた松坂の本居宣長や遠江を代表する国学者の内山真龍・栗田土満をはじめとする多くの真淵の直弟子・孫弟子たちは様々な足跡(業績)を残しています。
 栗田土満(くりたひじまろ)が著した『神代紀葦牙(じんだいきあしかび)』は、養老4年(720)につくられた我が国最初の歴史書『日本書紀』30巻のはじめの2巻にある神代紀に注釈を施したものです。
 当時、本居宣長が解明を進めていた『古事記』の上巻と、『日本書紀』の神代紀は、時代が同じであり、土満にとって宣長の『古事記伝』は大いに参考になりました。(写真左)
 内山真龍(うちやままたつ)から弟子の夏目甕麿(なつめみかまろ)に宛てた書簡には、当時の国学者たちの交流が生き生きと表されています。(写真下)
 「有玉御会席」は高林方朗(たかばやしみちあきら)の歌会のことです。「伴州五郎」は本居宣長没後の門人の伴信友のことです。内山真龍を平田篤胤に紹介したのが伴信友でした。
 真淵の教えとして宣長が言う「師の説になずまざる事」があり、それは「古典研究には、後に納得すべき新説、創見があれば、臆することなくこれを表すべきである。」という精神として、遠江の門人たちに伝播しました。このことが個性ある門人たちの探究心を掻き立て、国文学、国語学など、国学の様々な成果につながっていきました。

☆令和3年度特別展『師賀茂真淵と弟子本居宣長』~二人が育てた遠江の国学者~は、9月30日(木)から11月23日(火)まで公開されます。ぜひ、実物をご覧ください。